近視のしくみ
近視とは、遠くを見たときに、網膜よりも手前に光の焦点が結ばれてしまうこと
でピントが合わず、対象物がぼんやり見えてしまう屈折異常のことです。
毛様体と水晶体の調節機能により物を見るときは、眼の屈折が絶えず変化します。
正視の眼であれば遠くのものを見るときも、近くのものを見るときも網膜上にぴったり
ピントがあいますが、網膜上でピントが合わない屈折状態を屈折異常といいます。
近くのものを見続ける作業の多い現代人に一番多い屈折異常が近視であり、近く
のものはよく見えるが、遠くのものはボヤけてみえないというのが近視の症状を
抱える人の割合は今や2人に1人というところまで来ています。
近くを見続けるということは毛様体を緊張させ水晶体を厚く保つことになります。
これが長い時間続くと眼精疲労の原因にもなるのですが、同時に眼は何とか
近くを楽に見ようとするため、眼の構造をその環境に適応させようと変化させる
わけです。
近くを見続けるということが続くと、人体の適応力が楽に近くが見るように眼の
構造を変化させるというのが屈折異常のはじまりなわけです。
眼は近くを見続けても水晶体をあまり厚くさせずに緊張しないで近くを見るため
○ 角膜の湾曲を増大させ、凸レンズ効果を増大させる
○ 網膜を後方に下げるために眼球を前後に伸ばす
以上のことを行い、環境に眼の構造を適応させようとするわけです。
メガネやコンタクトレンズで遠方がよく見えるように矯正した場合は、メガネや
コンタクトレンズ越しに近くを見るときには毛様体を緊張させ水晶体を厚く保つ
ことになるので、これも、この状態が長く続くと眼鏡、コンタクトレンズ越しでも
近くを楽に見ようと適応現象が進み、さらに視力が悪化することになります。
■ 近視の種類
近視といっても色々なタイプのものがあります。ひとつひとつ紹介しましょう
○ 仮性近視
仮性近視は成長期の子供に多く見られるもので、偽近視や調節緊張性近視と
呼ばれるように一時的に調節能力が失われて視力が低下している状態です。
環境的要因が原因であることがほとんどなので、仮性近視発覚後にテレビや
ゲームを控えて、遠くを見るようにする、姿勢を正すなど生活態度を改善すると
もとの視力に戻ります。
眼科に行けば調節麻痺剤(ミドリンM)による点眼治療が行われます。
○ 真性近視
毛様体筋の緊張が固定化してしまい、水晶体が膨らんだまま、もとにもどらない
近視の事を言います。仮性近視をそのまま放置したり、仮性近視の状態で視力
をメガネやコンタクトレンズを使用してしまうことで調整力がさらに弱まり真性近視
に進行してしまいます。
○ 軸性近視
軸性近視は眼球がラグビーボールのように楕円形になってしまうことで角膜から
網膜までの距離である眼軸が前後に長くなることで、網膜に焦点が合わなくなる
状態をいいます。
生まれつき視力が悪い人はこの軸性近視であることがほどんどです。
また、強度の近視の場合は軸性近視になっているケースが多く、 網膜が引っ
張られている軸性近視では網膜剥離が起こる可能性が高くなるといえます。
○ 屈折性近視
屈折性近視は屈折力が強すぎるため網膜上で像が結べない近視のことです。
後天的な環境的要因の近視のほとんどはこの屈折性近視といわれています。
屈折性近視を放置して近視を進行させてしまうと軸性近視に発展することも
あります。原因としては緊張の続く毛様体筋などに血行不良が起こり、また
眼球運動が著しく減少したために、眼球を支える外眼筋の力が弱まってしまい
眼球が薄く伸びてしまうからだといわれています。